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3月からベトナム語の授業をとっている。ベトナム語はやはり漢字語が面白い。始めてから1か月も経っていないが、いろいろな単語が出ていた。「監督」「生員」「教員」「教師」「介紹」「発音」「元音」「補音」「動詞」「名詞」…挙げるときりがない。
「発音」「動詞」「名詞」などは漢字圏ならどこでも通用する普遍的な言葉のようである。「教師」が日本語の「教授」の意味で、「教員」が「先生」の意味で用いられるという微妙なズレは楽しみながら覚えられるが、「監督」が「社長」を意味するというように、かなりとまどうものもある。「介紹」、「元音」、「補音」は日本語や韓国語では使わない漢字語で、それぞれ「紹介」、「母音」、「子音」を意味する。現代中国語でも同じ意味で用いられるから、おそらく近代に中国語から入ったのだろう。 「生員」は「大学生」を意味する。最近、漢和辞典をひいていて偶然「生員」という言葉が載っているのに気づいた。「科挙を受ける資格のできた、地方の学生」と説明にある。ウィキペディアによると、明朝および清朝の言葉だというから、ベトナムにもそのころに入ってきたのだろう。どういった契機でそれが「大学生」を意味する言葉に変わったのかわからないが、「大学」は「大学」と呼びながら、その学生を「生員」などという科挙用語で呼び続けるのは、ある意味で社会主義国家らしからぬ行動である。 ベトナム語は漢字音という意味でも興味深い。chu yi(注意)などという分かりやすい漢字音もあるかと思えば、日本語、韓国語、中国語の知識を総動員しても予想し得ないような読音があり、しかもそれららが、不規則に現れるのではなく、中古音ときっちりとした規則的対応を見せるというのだから驚きである。たとえば、luyen tap(練習)に見られるように、中古音のs-, z-はベトナム語ではt-に対応し、du'o'ng lich(陽暦)に見られるように、中古音のj-はd-(発音は北部で[z], 南部で[j])、danh tu'(名詞)に見られるように、中古音のmj-はd-に対応する。(ベトナム語を表示するのが面倒なので、つづりは適当。) …というように、ベトナム語の漢字語に関する興味は尽きないのであるが、このようなマニアックな詮索がベトナム語の上達に寄与するかといえば、少なくとも会話の上ではむしろ逆効果であろう。漢字を思い浮かべ、その漢字の読音を代入して…という作業をしていては、会話なんてできない。それは、中国語を習った人なら誰でも実感することであろう。話したかったら、音を覚えるのが先決である。でも、韓国語以上に漢字と疎遠になってしまったベトナム語だからこそ、あえて漢字にこだわってみたい、というのは、天の邪鬼的な発想なのだろうか?
by guixiang
| 2008-03-22 12:55
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