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モンゴル語の短母音は第一音節以外では音価を持たない。音価がないのにどうして書かれるのかよく分からないのだが、とにかく書かなければならないのである。学習者の立場としては、教科書に出ている通りにスペルを暗記し、発音するときは母音を抜くか、曖昧母音として発音すればいいだけなので、それほど問題ないように思える。しかし実際には名詞に格語尾がついたり、動詞に接辞がついたりする場合に、母音が現れたり消えたりするのである。これには規則があり、その規則を理解しないことには精確なスペルで文章を書くことはおろか、文章に書かれたスペルから原形を導き出して辞書を引くことさえ不可能になる。そして、その規則とやらがいくら本を読んでも分からない。そもそも本ごとに書いてあることが違うのだ。
短母音表記の規則に関する説明は、相互に矛盾しているわけではにのだが、角度が違いすぎてどうにも分かりにくい。そこで、音節という概念を導入して自分なりに数学的・論理的にまとめてみた。一見複雑に見えるが、少なくとも参考にした本よりは明瞭である。 [基本原則]モンゴル語の音素は、その聞こえ度(sonority, 母音度)の高い順に①母音(7つ)>②母音持ちの7子音(м, н[ng], г[g], л, б, в, р)>(2.5) н[n], г[G]>③非共鳴の9子音(л, ж, з, с, т, х, ц, ч, ш)の三つのグループに分けられる(発音の二つあるн[ng/n], г[g/G]が、発音によってグループが異なることに注意)。なお、外来語にのみ現れるкфпщは無視。子音は、音節内において自分が属するグループよりも聞こえ度の高い音素(②なら①、③なら②か①)に隣接しなければならない。モンゴル語の音節は音節頭に最大1つ、音節末に最大2つの子音をとることができる。 [追加原則]この原則を考慮するにあたっては、нとгの発音を表すために後置される母音はグループ①とはみなさない(おそらく、音価を持たないことが原因)。また、с/х+т/ч(すなわち、ст、сц、хт、хцの4つ)は③のグループに属する一つの子音と見なされる。ただし音節頭に立つことはできない。動詞語の語尾-хは前に母音を伴う(グループ③なので、本来②と①のどちらでもいいはずだが、①のみを要求する)。 この規則がいかに有用であるかを示すために、参考とした本に載っていた例をすべて説明できることを示す。 vзэл:vзлが不可能なのは、①③③でлが浮いてしまっているから。 vз.лийн[ng]:vэлийнでなくていいのは、①③-③①②で、規則に合致しているから。 болж:боложでなくていいのは、②①②③で、規則に合致しているから。 хан.даж:хан[n]джが不可能なのは、②①(2.5)③③で、жが浮いてしまっているから。 эхэд:эхдが不可能なのは、①③③で、дが浮いてしまっているから。 модот:модтが不可能なのは、②①③③で、тが浮いてしまっているから。 уст:①③'なので可。(стを別々に①③③と解釈すれば不可) мэхч:②①③'なので可。 давст:③①②③'なので可。 дан[n]сч:③①(2.5)③'なので可。 хон[ng]х:③①②③なので可。 халх:③①②③なので可。 эрх:①②③ бэрх:②①②③ олох:олхも①②③で原則には合致するが、例外のためにолохとなる。 г[2.5]арах:гархも(2.5)①②③で原則には合致するが、例外のためにгарахとなる。 сан[n]д:③①(2.5)③ цаг[G]т:③①(2.5)③ сэ.рэмж:③①|②①②③ тэгш:③①②③ "Colloquial Mongolian"p.15 ам:①② г[G]ур.ван[ng]:(2.5)①②|②①③ г[g]эрт:②①②③ сурт:③①②③ ман.дан[n]а:②①②③|②①(2.5)○、манднаは②①②③(2.5)○で二つ目のнが浮くため不可。 хал.г[G]аг[G]а:③①②|(2.5)①(2.5)○、халггаは③①②(2.5)(2.5)○で二つ目のгが浮くので不可。
by guixiang
| 2006-04-04 02:26
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