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事情があって3月から定期的に中距離バスに乗ることになった。同じ道なだけに毎回窓の外を眺めるというわけにもいかないし、音楽を聴くほど音楽好きでもないため、必然的に本を読むことになる。専門書を読むほど集中できる環境でもないので小説を読むことにした。小説なんて次の休みまで読めないだろうと思っていたので、ちょっとした贅沢である。
ところで、本屋の小説コーナーに行ってまず困るのは、作家について何も知らないということだ。日本の作家についてなら知っているような常識的な知識さえ皆無なのである。何も情報がなくても、適当に立ち読みして面白そうなのを選べばいいじゃないかと思うかもしれない。しかし悲しい哉、韓国語の読解能力の不足のせいで、一冊を面白いかどうかを判断する時間が長すぎて、これぞと思う本を探すまでに脚が痛くなってくるため、この方法も有効ではない。 これまでは「200X年度○○賞受賞作品集」のようなものを買っていたのだが、日本語でも楽しめない純文学が、外国語で楽しめるわけもなく、いつも失敗に終わっていた。そこで今回は作戦を変えて、「国内ステディセラー」のようなコーナーにある本から選ぶことにした。いくつか平積みにしてある本の中でキム・ヨンハ(김영하)という作家の「帰ってきた兄貴(오빠가 돌아왔다)」という本の表紙が目を引いた。どうも短編集らしい。表題作の出だしを見ると、家でしていた兄貴が10代後半の不細工な女を連れて帰ってきた、というものだった。ドラマのような俗っぽさが何となく安心できたので、それを買うことにした。 読後の感想としては、偏りのないのが好感のもてる読みやすい短編集だった。特にイデオロギーがあるわけでもなく、変に文学っぽさに固執するところもない。ドラマチックではあるが、日常から大きくかけ離れない出来事を、適度な俗っぽさと適度な文学っぽさで描いている。この短編集の一番の特徴は、登場人物や設定が短編ごとに多様で、まったく共通性がないところにある。単にみせかけの設定が異なるというだけでなく、主人公の持っている価値観さえも短編ごとに違うのである。次はどんな話が飛び出してくるんだろうという意味で、この短編小説は面白い。韓国語としても読みやすい部類に入ると思う。本が薄いこともあって、10日もかからずに読んでしまった。とりあえず、「国内ステディセラー」作戦は成功したようである。
by guixiang
| 2008-03-23 00:00
| 読書
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