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夏休みなので専門書だけでなく小説も読んでみようと思いCOEXの本屋で目に付いた長編小説を買ってみた。キム・ジェヒ(김재희)という作家の『訓民正音暗殺事件』という本である。ダビンチコードの韓国版であり、刑事ヒョンソクと歴史学者ミニョンが死亡したミニョンの父の残したヒントを手がかりに『訓民正音・源流本』を探すのだがそこに日本の右翼組織に属する歴史学者が送り込んだ刺客の邪魔が入る、という話である。
勉強の合間に読もうとして買ったのだが、結局のめりこんでしまい、一週間ほどで読み終わってしまった。とはいっても、お世辞にも完成度の高い名作とは言いがたい。この本の魅力は李氏朝鮮に関する歴史薀蓄がふんだんであることと、思いっきり愛国的な内容であるということである。前者は素直に楽しめたが、後者は日本人の目からするとネタ以外の何物でもない。ストーリーは緊張感に欠け、歴史名所めぐりの社会見学のようでもあり、日本に関するリサーチも徹底しているとは言えず、幼稚なオリエンタリズムに満ちている。日本人が始終一貫して自衛隊を軍と呼んだり、将軍が天皇を命がけで守る存在だと説明されていたり、古武道の掛け声が「チェスト!」だったり、「サムライ」という単語が妙に頻出したりする。日本の歴史観も必要以上に右寄りに描かれている。日本の学者は神代文字がハングルの源流であると主張しているというような説明がされるが、神代文字がトンデモ説なことぐらい誰だって知っている。この作家は日本人があんなトンデモを信じてると本気で思ってこの本を書いたのだろうか。 途中中だれはあるものの、ラストのどんでん返しはそれなりに面白かった。あんまりお勧めはしないけど、どうしても興味あったらどうぞ、という程度。
by guixiang
| 2006-07-24 21:38
| 読書
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