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「BrickController2」というアプリがある。AndroidフォンやiPhoneにインストールし、Bluetooth接続のできるゲーム用パッドと接続して、ゲーム用パッドでレゴをコントロールできるようにするためのものである。いろいろいじった結果を備忘録として残す。
■Invert チェックを入れると、出力の回転方向を逆転させることができる。 ■Channel type つないでいるモーターをどのような種類のモーターとして使用するかを、以下の3つのタイプから選択する。 「NormalMotor」:連続で回転するモーター。車の動力に使っているモーターなどを制御するときには、これを選ぶ。「回転速度を指定する」モード。 「ServoMotor」:指定された範囲の角度の中で動くモーター。車の操舵に使っているモーターなど。「角度の絶対位置を指定する」モード。 「StepperMotor」:指定された角度を単位として動くモーター。車のトランスミッションの切り替えに使っているモーターなど。「角度の相対移動を指定する」モード。 ■NormalMotorの設定 Channel typeとしてNormalMotorを選択すると、「Joy characteristic」と「Joy active zone」の間に「Max output」という設定項目が現れる。 「Max output」では、モーターが回転できる速度の何%を最大値として設定するかを決めることができる。 ■ServoMotorの設定 Channel typeとしてServoMotorを選択すると、歯車のアイコンと「Servo range」の設定項目が現れる。 歯車のアイコンからは、サーボモーターの設定ができるようになる。アイコンをタップするとハブへのアクセスが求められ、アクセスが完了すると「Auto calibrate」と「Base angleのReset」ができる。 「Base angle」では、LモーターとAモーターが内部的に持っている角度ゼロの位置を修正するための値を設定できる。(コントローラーがオンになると、サーボモーターの角度は、このゼロの位置にまで移動し、それが「元の角度」となる。) 「Auto calibrate」では、キャリブレーションが行われる。最初の位置を基準に、モーターが順方向に180°、逆方向に180°回転する。特に遮るものがない場合、Lモーターは、十字の縦棒の一つがだいたい上になるような角度に動く。(だいたいであって、1~2度の誤差があるように見える。)Mモーターは、元の位置に戻る。Aモーターはもっとも優秀で、モーターに印刷されている●と○がピッタリ一致する角度に動く。回転を遮るものがある場合、LモーターとAモーターは逆方向側の端に移動する。Mモーターは、やはり元の位置に戻る。LモーターとAモーターでは、キャリブレーションの結果が「Base angle」に反映される。 「Base angleのReset」では、Base angleの値を手動で設定することができる。値は5°単位で設定可能。 元の画面の「Servo range」は、サーボモーターが動く範囲を指定できる。「90°」とすれば、サーボモーターは-90°~90°の範囲で動くことになる。 ■StepperMotorの設定 Channel typeとしてStepperMotorを選択すると、歯車のアイコンと「Stepper angle」の設定項目が現れる。 「Stepper angle」からは、ステッパーモーターが一度に動く角度を指定できる。 ■Joy type 設定しているのがスティックやトリガー(変化量が取得可能)である場合には、3つある「Joy type」によって、細かい動きをさらに指定することができる。Channel typeで指定したモーターのタイプによって意味合いが違ってくる。 (NormalMotor) 「Normal」:ボタンを押すと、押し込み度に応じた速度でモーターが回転し始める。最大に押し込むと、「Max output」で指定した回転速度になる。ボタンを離すと、押し込みの度合いが0になるため、モーターは停止する。逆方向のボタンを押すと、逆方向に回転し始める。 「Train」:ボタンを押すと、押し込み度に応じた速度分だけ現在のモーターの速度が速くなる。最高速度は、「Max output」で指定した回転速度。ボタンを離してもモーターの動きはそのまま。逆方向のボタンを押すと、モーターの回転が遅くなる。(速度がマイナスになると逆向きに回転する。) 「Accelerator」:ボタンを押すと、回転速度が変化する。押し込みの度合いは関係なく、押したかどうかのみが感知される。出力は10段階に分かれているので、おそらく「Max output」の出力の1/10刻みに出力が変化するのだと思われる。(正確に測定したわけではないので、憶測にすぎない。)実験したところ、LモーターとMモーターは2段階目から、Aモーターは3段階目から回り始める。(それ以前は出力が小さすぎてモーター内部の摩擦に勝てないのだと思われる。) (ServoMotor) 「Normal」:ボタンを押すと、押し込み度に応じた角度までモーターが回転する。最大に押し込むと、「Servo range」で指定した角度になる。ボタンを離すと、デフォルトの角度に戻る。逆方向のボタンを押すと、逆方向に回転する。 「Train」:ボタンを押すと、押し込み度に応じた角度の分だけモーターが回転する。最大に押し込むと、「Servo range」で指定した角度の分だけ回転し、中間ならその比率に応じた角度だけ回転する。また、「Servo range」によって定められる範囲の外には動かない。逆方向のボタンを押すと、逆方向に回転する。 「Accelerator」:ボタンを押すと、「Servo range」で指定した角度の1/10だけ回転する。(押し込みの度合いは関係なく、押したかどうかのみが感知される。) (StepperMotor) 「Normal」:ボタンを最後まで押し込むと、「Stepper angle」で指定した角度だけモーターが回転する。(ボタンを中途半端に押しても反応がない。)逆方向に最後まで押し込むと、逆方向に回転する。 「Train」:ボタンを最後まで押し込むと、「Stepper angle」で指定した角度だけモーターが回転する。逆方向のボタンを最後まで二回押し込むと逆方向に回転する。(ボタンを中途半端に押しても反応がない。)実質上、使い道がない。 「Accelerator」:ボタンを10回最後まで押し込むと、「Stepper angle」で指定した角度だけモーターが回転する。そのあとで逆方向に20回押し込むと、元の位置に戻る。(ボタンを中途半端に押しても反応がない。)実質上、使い道がない。 ■Button type 設定しているのがボタン(変化量の取得が不可能)である場合には、8つある「Button type」によって、細かい動きをさらに指定することができる。Joy type同様、Channel typeで指定したモーターのタイプによって意味合いが違ってくる。 (NormalMotor) 「Normal」:ボタンを押してる間、モーターが「Max output」の出力で順方向に回転する。ボタンを離すと止まる。 「SimpleToggle」:ボタンを押すと、1回目には、モーターが「Max output」の出力で順方向に回転し始める。(ボタンを離しても止まらない。)2回目には、止まる。3回目からは、1回目に戻る。 「Alternating」:ボタンを押すと、1回目には、モーターが「Max output」の出力で順方向に回転し始める。2回目には、逆方向に回転し始める。この設定だけでモーターを止めることはできないので、止めるには別のボタンに「Stop」を割り当てておく必要がある。 「Circular」:ボタンを押すと、1回目には、モーターが「Max output」の出力で順方向に回転し始める。2回目には、逆方向に回転し始める。3回目には、モーターが止まる。4回目からは、1回目に戻る。 「PingPing」:ボタンを押すと、1回目には、モーターが「Max output」の出力で順方向に回転し始める。2回目は、モーターが止まる。3回目は、逆方向に回転し始める。4回目は、モーターが止まる。5回目からは、1回目に戻る。 「Stop」:ボタンを押すと、モーターの回転が止まる。 「Accelerator」:ボタンを押すと、モーターの回転出力が「Max output」の1/10上昇する。「Max output」に達してからは、出力の変化はなし。この設定だけでモーターを止めることはできないので、止めるには別のボタンに「Stop」を割り当てておく必要がある。 「Sequence」:ボタンを押すと、登録したシークエンス(いくつかの動作の組み合わせ)を実行する。Valueが50%なら、Max outputの50%の回転速度で、Durationの間だけモーターが回る。シークエンスに関しては、下の「■Sequenceの設定」を参照すること。 (ServoMotor) 「Normal」:ボタンを押すと、押した時間に応じた角度までモーターが回転する。ずっと押し続けると、「Servo range」で指定した角度まで回転する。ボタンを離すと、デフォルトの角度に戻る。 「SimpleToggle」:ボタンを押すと、1回目には、「Servo range」で指定した角度までモーターが回転する。2回目には、元の角度に戻る。3回目は、1回目と同じ。 「Alternating」:ボタンを押すと、1回目には、「Servo range」で指定した角度までモーターが回転する。2回目には、1回目とは逆方向に「Servo range」で指定した角度までモーターが回転する。(つまり、「Servo range」の2倍の角度の分だけ回転する。)3回目は、1回目と同じ。このボタンだけでは、元の角度に戻すことはできないので、止めるには別のボタンに「Stop」を割り当てておく必要がある。 「Circular」:ボタンを押すと、1回目には、「Servo range」で指定した角度までモーターが回転する。2回目には、1回目とは逆方向に「Servo range」で指定した角度までモーターが回転する。3回目には、元の角度に戻る。4回目は、1回目と同じ。 「PingPing」:ボタンを押すと、1回目には、「Servo range」で指定した角度までモーターが回転する。2回目には、元の角度に戻る。3回目には、1回目とは逆方向に「Servo range」で指定した角度までモーターが回転する。5回目からは、1回目に戻る。 「Stop」:ボタンを押すと、モーターが元の角度に戻る。 「Accelerator」:ボタンを押すと、モーターが「Servo range」の1/10の角度分だけ回転する。「Servo range」に達してからは、角度の変化はなし。この設定だけでモーターを元の角度に戻すことはできないので、止めるには別のボタンに「Stop」を割り当てておく必要がある。 「Sequence」:ボタンを押すと、登録したシークエンス(いくつかの動作の組み合わせ)を実行する。「Value」が50%なら、「Duration」の間だけ「Servo range」の50%の角度にモーターが回転したままでいる。シークエンスに関しては、下の「■Sequenceの設定」を参照すること。 (StepperMotor) 「Normal」:ボタンを押すと、「Stepper angle」で設定した角度の分だけモーターが回転する。 「SimpleToggle」:ボタンを押すと、1回目には、ボタンを押すと、「Stepper angle」で設定した角度の分だけモーターが回転する。2回目には、何も起こらない。3回目は、1回目と同じ。 「Alternating」:ボタンを押すと、1回目には、「Stepper angle」で設定した角度の分だけモーターが回転する。2回目には、1回目とは逆方向に「Stepper angle」で設定した角度の分だけモーターが回転する。(つまり、元の位置に戻る。)3回目は、1回目と同じ。 「Circular」:ボタンを押すと、1回目には、「Stepper angle」で設定した角度の分だけモーターが回転する。2回目には、1回目とは逆方向に「Stepper angle」で設定した角度の分だけモーターが回転する。(つまり、元の位置に戻る。)3回目には、何も起こらない。4回目は、1回目と同じ。 「PingPing」:ボタンを押すと、1回目には、「Stepper angle」で設定した角度の分だけモーターが回転する。3回目には、何も起こらない。3回目には、1回目とは逆方向に「Stepper angle」で設定した角度の分だけモーターが回転する。(つまり、元の位置に戻る。)4回目には、何も起こらない。5回目は、1回目と同じ。 「Stop」:ボタンを押しても、何も起きない。 「Accelerator」:ボタンを10回押すと、「Stepper angle」で設定した角度の分だけモーターが回転する。 「Sequence」:ボタンを押すと、登録したシークエンス(いくつかの動作の組み合わせ)を実行する。「Value」が100%なら、「Stepper angle」の分だけモーターが回転し、「Duration」が過ぎると次の動作が実行される。シークエンスに関しては、下の「■Sequenceの設定」を参照すること。 ■Sequenceの設定 「Controller Action」の設定画面でButton typeとしてSequenceを選択すると、Button tupeの下にSequenceという項目が現れる。デフォルトでは空白になっている部分をタップすると、予め作っておいたシークエンスを選択できる。シークエンスを作成していない場合には、右の歯車のアイコンから、シークエンス設定画面に入り、設定することができる。(シークエンス設定画面には、最初の画面のメニューからでも入れる。) シークエンスを作成する場合には、全てのシークエンスが終わった後には、一つ目の動作が永遠に行われる、という不可解な現象を理解しておく必要がある。そのため、シークエンスが終わった後にモーターを止めたい場合には、最初の動作としてValue (%) = 0, Duration (ms) = 300というのをダミーで入れておく必要がある。(Durationの最小値は300ミリ秒。)望んでいる動作の開始が0.3秒遅れることになるが、仕方がない。 ■注意!!! 1つのモーターに複数のボタンを割り振る時には注意が必要。「Channel type」や「Servo range」「Stepper Angle」の値は、最後に登録したボタンの値に統一されてしまう。よって、ボタンによってサーボモーターとステッパーモーターを使い分けたり、ステッパーモーターの回転角を使い分けたりすることは、できない。仕様なのか、バグなのかは不明。 #
by guixiang
| 2022-08-13 15:47
| レゴテクニック
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レゴテクニックの空気圧関連パーツを手に入れたら、まずやってみたいのはYouTubeでよくみる空気圧エンジンを作ることだった。空気圧エンジンというのは、どうやらマニアの間では一つのジャンルを形成しているようで、英語ではLPE(=Lego Pneumatic Engine, レゴ空気圧エンジン)という略語まで存在するほどである。モーターほど強力ではないため、自動車などの動力として使う場合だけでなく、単純にエンジンのみを作ってYouTubeに動画をあげているような場合も多い。 空気圧関連の基本的なパーツとしては、①ポンプ、②スイッチ、③シリンダー、④タンク、⑤ホース、⑥コネクター及び分岐パイプがあげられるのだが、この全てをレゴ純正品で使用しつつLPEを作るのは、経済的にも技術的にもかなりの困難が伴う、ということが分かったのでまとめておく。 ■純正パーツ レゴの純正パーツのみでLPEを作るクリエイターに、フランスのNico71という人がいる。この人はNICO71'S TECHNIC CREATIONSというサイトを持っていて、そこに空気圧に限らず様々なレゴテクニックの作品を公開しているのだが、その中でもLPE関係のもの(LEGO PNEUMATIC ENGINEというカテゴリー)には、純正パーツで作れる作品のみが掲載されており、純正パーツにこだわりたい場合には参考になる。作品によっては詳細な組み立て説明書を有料で配布しているのだが、サイトの紹介文章の中でかなり詳細に技術的な解説をしてくれているので、本当に具体的な部分を除いては、それを読むだけでかなりのことが分かるようになっている。実際に作るつもりがなくても、読むだけでLPEに関する様々な知識を得ることができるのでありがたい。(前の記事で述べたフライホイールの重要性についても、このサイトで初めて知った。) このサイトで紹介されているもののうち、例えば"Pneumatic Vehicle"では、純正品のポンプ4つ、スイッチ1つ、シリンダー1つ、タンク1つで、空気を外部からホースで供給されつつ動く自動車が紹介されている。(もちろん、モーターを組み込んで作った自動車のようなスピードやスムーズさを期待してはいけない。)この車は、フライホイールも常識的な大きさで、デザイン的にも洗練されており、純正品でこれだけできるのならそれでいいじゃなかと思うかもしれない。しかし、純正品だけでLPEに挑戦するには経済面と技術面の両方から問題がある。 ■純正パーツの経済的問題 経済的な問題から見ると、まずポンプ4つというのがかなり無理がある。普通の空気圧の入ったセット(例えば自分が空気圧パーツ目当てに購入した「大型レッカー車(#42128)」など)にはポンプが1つしか入っていないため、そういったセットを4つ買うか、バラ買いをするしかない。しかし、例えばレゴの部品をバラ売りしてくれるブリッカーズでポンプを買うと、古い小型のものも新しい大型のものも2,380円もする。ポンプ一つに2,380円は高いし、しかもこれを3つも追加で買うのは経済的にかなり負担である。 ポンプに関する一番の解決方法は、自転車のポンプを利用することではないかと思う。私の場合、家に昔買った英米仏式兼用で圧力計もついた少し気の利いた(?)ポンプがあったのだが、アタッチメントとしてボールなどに空気を入れる用の細いニードルがついており、それにセロハンテープを巻いて太くすると、レゴのホースにピッタリとはまった。ポンプの容量が違うので当たり前といえば当たり前だが、レゴ純正品のポンプに比べてかなり楽に空気を送り出すことができる。接続部分は少し抜けやすいが、ニードルをホースにしっかりと差し込めば40psiぐらいまでは耐えられるのでそれなりに実量的だと思う。(もっと圧力が必要になったら、より専門的なテープを巻けばいいのではなかいかと考えている。)ちなみに、うちにあったのはSamuridingのSIG-FP003という製品で、アマゾンで見ると3,980円だった。レゴのためだけに買うには少し高いかもしれない。 ポンプだけではなく、タンクも問題である。持っていないので推測なのだが、レゴ純正品のタンクはかなり小型で、空気を蓄えておく能力がそれほど高いとは思えない。おそらく、この小型のタンクは、電子回路におけるコンデンサーのような役割で用いられることが多いのではないかと思う。つまり、送る空気の量にムラのあるポンプとエンジンの間に置くことで、圧力の変化を緩慢にする役割を担っているのである。実際、ポンプでエンジンを動かしていると、いわゆる「息継ぎ」をする時にエンジンが止まってしまうことがよくあるので、そういった対処は必要だと思われる。 このタンクはLPEの作例には普通に登場するが、手に入れるのは結構大変である。bricklinkのデータベースによると、そもそも12個のセットにしか含まれておらず、しかも最も最近のセットは「Front End Loader(#8439)」で、発売日は2004年、18年前である。結構なレアアイテムで、前述のブリッカーズではそもそも取り扱いがなく、bricklinkでも売値が日本円で2000円を超える。小さなプラスチックのエアタンクに2000円(+海外からの送料)を払うのはさすがにやりすぎではないかなという気がする。ヤフオクやメルカリでレゴテクニックの空気圧関連の中古パーツを売っていることがあるが、それでもいろいろ合わせて数千円~1万円といったような値段設定のことが多く、それほど安くは手に入れられないのではないかと思う。 タンク問題の解決策として、ペットボトルを用いる方法がある。YouTubeの"How to Make a Custom Pneumatic Air Tank - No Gluing Needed"ではペットボトルをエアタンクとして利用する方法が紹介されている。ただ、実際にこの動画でやっているほどうまくいくかわからないし、どんなに小さなサイズのペットボトルを使ってもオリジナルほどコンパクトにならないだろうという問題は残る。 ポンプとタンクの問題を一挙に解決する方法として、エアコンプレッサーを使うという手もある。エアコンプレッサーであれば、かなり強力に空気を送り出せるし、そもそも空気の量にムラがないのでタンクを途中にかませる必要もない。個人的にはあまり真剣に検討してはいないのだが、アマゾンで検索すると4000円台で評判のいいものが出てくるので、選択肢の一つになるのではないかと思う。ちなみに、YouTubeで海外のLPE関連の動画を見ていると、エアコンプレッサーを使っている人はかなり多い。ただ、室内で使うには音がかなり大きいのではないかと思う。 最後に、レゴのポンプとモーターを組み合わせ、純正パーツのみでコンプセッサーを作るという方法もないではない。ただ、一つのポンプから単位時間あたりに出せる空気の量は決まっているので、モーターを使ったとしても結局はポンプ数が多くなければ十分な空気の量は送り出せない。そのため、追加のポンプの購入が必要になる、という最初の問題に回帰してしまうことになる。 ■純正パーツの性能的限界 上記のように純正パーツにこだわるとかなりの出費が必要になるのだが、純正パーツにはそれだけではなく、性能的にも問題がある。おそらく、オモチャとして作られたが故だと思うのだが、ポンプ、シリンダー、スイッチといった各パーツの内部の空気穴が小さく、あまり大量の空気が通れないようになっているらしい。また、摩擦の問題もある。ポンプやシリンダーの内部摩擦が大きく、スムーズに動いてくれない。特に、スイッチはLPEを作成する際、シリンダーに付けて伸ばすか縮めるかを切り替えるので、エンジンを作る上でかなり重要な要素なのだが、このスイッチは基本的に手で切り替えることを前提に設計されているので、かなり固く、このスイッチを利用するとかなりの運動エネルギーがスイッチの切り替えに消費されてしまうことになる。これに関する余談なのだが、レゴクリエーターが「純正パーツだけで作ったLPE」といっていても、我々素人が新品のパーツを買って同じものを作っても、摩擦のせいで思ったよりうまく動かない、ということがあり得るのではないかと思っている。なぜなら、彼らがそこで使っているスイッチは、長年のLPE製作歴の中で何度も切り替えられて甘くなったスイッチだろうからである。ともかく、空気の量と摩擦の問題で、純正品のレゴだけで乗り物を動かすような本格的なエンジンを作ろうとすると、すぐに性能的な限界にぶつかってしまうのである。 ちなみに、スイッチに関しては、純正パーツ内での解決策が一つある。それは、ホースを挟んで空気の流れを止める仕組みを作って、それによって摩擦の少ないスイッチを作ってしまうことである。当然、もとのスイッチに比べるとかなり大きな部品になるのだが、実際にかなり効果的に動くらしい。これもNICO71'S TECHNIC CREATIONSで公開されている。("switchless"という名前が入った作品がそれにあたる。) ■改造パーツ 純正パーツの性能的限界を克服するために、パーツを分解し、内部の空気穴を拡張したり、高性能のグリスを塗ったり、摩擦となる部分を削ったり、プラスチックのシリンダーを金属のものに交換したりする改造をすることがあるようである。(英語では、"modified"とか"drilled"と呼ばれている。対義語は"non-modified"。)"How to Modify Lego Pneumatic Cylinders + Comparison - Airflow Increase - Ultimate LPE Guide EP1"にその詳細な方法が紹介されている。この動画の中の比較では、同じエンジン、同じ条件で、純正パーツは170prmであるのに対し、改造パーツは920rpmと5倍以上の性能の向上を見せている。実際、"LEGO Technic Pneumatic Car Speed Record!? 24,36Km/h"という動画を見ると、改造パーツで二気筒エンジンを作り、2リットルのペットボトルに2.5気圧の空気を入れて車を走らせている。最高時速24.36Km/hなので、ママチャリでかなり速度を出した時ぐらいの速度がでていることになる。 Green Gecko Workshopというサイトでは、改造パーツの販売も行っている。ただ、値段的には決して安くなく、例えばブリッカーズで498円で売っている一世代前のスイッチ(エレメント ID:4237158/6131617/6186772)の改造パーツが、13.45ドルもする。もちろん、手順が公開されているとはいえ、改造にはこまごまとした道具や材料、それに何より技術が必要なので、手間や時間まで考えると数個のパーツだけなら買ってしまったほうが経済的ではあるだろう。とはいえ、冷静になって考えてみると、これはおもちゃの、空気圧を制御する弁にすぎない。それに1500円近く出せるかどうかは、価値観の問われるところだろう。 ■魔改造パーツ 上の改造パーツは元々あるパーツの改造なのだが、レゴブロックを組み合わせて全く新しい空気圧エンジンを作ってしまう人もいる。Lego Technic EmbodimentというYouTubeチャンネルの運営者は、DIY Sleeve valve Lego Pneumatic Engineという動画で、既存のシリンダーやスイッチを全く使わず、レゴのパーツからエンジンを作ってしまっている。このエンジンはかなりの性能で、"Lego pneumatic engine. Second way of using"という動画を見ると、なんとステアリング用にモーターとバッテリーをのせた状態で不整地をかなりの時間走ることができている。(その代わり、かなり巨大なエアタンクを使っているが…)ここまでくると、まねしたくてもまねできない。というか、そもそもどうして動いているのか仕組みが全く理解できない。
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by guixiang
| 2022-03-27 19:02
| レゴテクニック
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そもそも大型レッカー車(42128)を買ったのは、空気圧(pneumatic)関連の部品が欲しかったからなのだが、部品が手に入ったら是非やってみたいと思っていたのが空気圧エンジンを作ることだった。Youtubeなどでみると高速で動いている動画がたくさん出ているので、部品さえあれば作れるのだろうと思って簡単そうな
うまくいかなかった理由は、それらの動画で高速で動いている理由をきちんと理解していなかったからである。一つには、それらの動画で使われているパーツは基本的に改造パーツだということだ。シリンダーに関してはドリルで内径を広げて空気が出入りする量を増やしてあったり、中のグリスを変えて摩擦を少なくしてあったりする。また、スイッチ(空気弁)に関しても、中のプラスチックを削ったりグリスを塗ったりしてこれも摩擦を少なくしてある。 また、単気筒エンジンが二気筒エンジンよりも難しい、ということも十分に理解できていなかった。直線の往復運動を回転運動に変える際、 自力では到底解決できそうになかったので、Nico71という人のデザインした「Vertical Lego Pneumatic Engine」の組み立てPDFを購入して、それを参考に作ってみた。使っているパーツが違うのでうまくいくか分からなかったが、どうにか完成し、手の力で単気筒空気圧エンジンを回すことに成功した。 追記:持っていないパーツはブリッカーズというサイトで注文したのだが、40歯ギア(268円/枚×2枚=536円)、フライホイール用のカーブギアラック(278円/個×8個=2,224円)、11Lポンプ(2,380円)の出費が結構痛かった。後になって考えてみると、40歯ギアは仕方ないにしても、フライホイールは11スタッドぐらいの長めのリフトアームを6角形に組み合わせて作ってもよかったのではなかったと思うし、ポンプに関しても自転車用のポンプを使えば出費を抑えられたのではないかと思う。
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by guixiang
| 2022-03-23 10:37
| レゴテクニック
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