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2012年 01月 28日
方言に関する本は数え切れないほどあるが、音声が収録されているものは意外と少ないのでリストにしておく。
■既読 佐藤亮一編(2009)『全国方言辞典』 辞典といっても収録語彙はそれほど多いわけではなく、各都道府県の方言の「全体的な雰囲気」を知るための本として見たほうが良い。全国48都道府県それぞれの方言に関して代表的な方言語彙を挙げ、それぞれに標準語による解説と、例文を示している。各都道府県ごとに地域による方言差や、文法的な特徴に関するコラムが書かれているのだが、これが下手な一般向け書籍よりも詳しくて面白い。CDには例文の一部のみが収録されているだけだが、その方言のおおまかな雰囲気を知るだけなら十分な分量だと思う。ただ残念なのは、都道府県ごとに収録の出来にムラがあり、ある収録者は自然かつ感情を込めて例文を読み上げるのだが、ある収録者はボソボソと読み上げるだけで聞き甲斐がない。録音に関しても、音質が悪かったり声が反響したりしていて、どうやらスタジオで録音されていないらしいものが混じっているのが残念である。とはいっても、この辺りは仕上げに関する部分であり、全体としてみる場合類書の中では第一級の書籍だと思う。 斎藤孝(2004)『CDブック 声に出して読みたい方言』 一部の例外を除くほとんどの場合、古典文や標準語による原文を方言訳したものを朗読者に読んでもらうという形式をとっている。例外は原文そのものが秋田方言である「八郎」の場合や、津軽方言による方言詩、原作のない方言漫談である博多弁と沖縄弁の場合である。個人的にはかなり不満のある本である。まず、文学作品から方言訳する場合には文語体を残すと朗読したときに不自然となってしまい、口語体に訳すと原作の雰囲気を壊してしまうというジレンマがあるため、自然な方言が聞けなくなってしまう。また、原作と方言の関連がない場合が多い、京都方言の源氏物語と土佐方言の土佐日記は良いとしても、広島方言の「人間失格」、名古屋弁の「雪国」、津軽弁の「弁天娘女男白浪」、「枕草子」、「方丈記」、鹿児島弁の「坊ちゃん」などは作品と方言の間に関連性が見出せない。既に存在する方言訳テキストを使用するという方針を採ったためにこういうことになったのだろうが、もう少しどうにかならなかったのだろうか。ただし、朗読者は皆芸達者な人たちなので、安心して聞けるというところは評価できる部分であると思う。 真田信治監修『関西(大阪)弁入門』 標準語は知っていても関西弁を知らない日本語学習者の為に書かれた関西弁の教科書であり、話すことよりも聞いて理解することに重点を置いて書かれている。各課では様々な文法が日常的な用法に即して解説されており、大変面白い。 ■未読 ![]() 2012年 01月 21日
だいぶ前、韓国語版ウィンドウズ7にLive Messenger 2011を入れたら日本語が文字化けしたことがあった。少し前にネットブックのOSをXPから7にして、今回それにLive Messengerを入れることにした。「もうそろそろ解決されているだろう」と思ってインストールすると前回と同じ症状だった。ここなどによると、どうもこの不具合は韓国語版にのみ存在するらしい。「しょうがねぇなぁ」と思いつつ、2011を消してver9.0に戻そうとするのだが、前回は公式サイトから以前のバージョンを落とせた気がするのだが、どうも見つからない。しょうがないのでここで見つけたものを変わりに入れてみた。なんとなくアブナイ感じがするのだが…。
2012年 01月 11日
ここ数日厄介になっている知り合いの家の近くに大手チェーンの本屋がオープンしたというので行ってみた。店内のレイアウトは悪くないが、品揃えはほどほどというところ。国語学や言語学の本が「文学理論」のコーナーに並べられているのは心が痛かったが、このくらいの規模の本屋なら仕方が無いのだろう。最近自転車に凝っていて、いつか韓国で自転車旅行をしたいと思っていたので自転車旅行記のようなものを探してみると、紀行文のコーナーに『무모한 청년의 거침없는 질주 자전거 무전여행(無謀な青年の終わり無き疾走・自転車無銭旅行)』という本があったので買ってみた。休暇中で大してやることも無い(本当は読んだり書いたりしなければいけないことが山積みなのだが、現実逃避中)ので、実質2日で読み終わってしまった。
本の内容は、軍隊を除隊したばかりの大学生の青年がふとしたことで自転車無銭旅行を思いつき、安物のマウンテンバイクで韓国一周を試みた旅の物語である。自分はこの本を読んで初めて「無銭旅行」というのがどのようなものなのかを知った。これまで無銭旅行というのは比喩的な表現に過ぎず、実際にはケチりながら金を使いつつ旅行をするのだと思っていたのだが、それは間違いだった。本の著者は腹が減れば食堂に行ってただ飯を食わせてくれといい、夜になれば村長に頼んで公民館で寝させてもらうのである。鬱陵島に渡るために10万ウォンが必要になったときには、公園で似顔絵を3日間描き続けて船賃を稼いだ。そういう中で色々な人と出会い、不快な思いもしつつも、人間の情というものを感じて成長していくというストーリーである。 自分も大学生のときに何度か自転車旅行をしたことがあったが、そのときは金を払って飯を食った。無銭旅行などというものは考え付きもしなかった。大学生のときにさえできなかったのだから、30を過ぎてしまった今では考えられもしない。しかし、自分ができるのか、できたのかということを抜きにして、こういうスタイルの旅行をした筆者をうらやましく思った。こうした無謀さは、旅を楽しむ上である程度必要だと思う。自分はそれを頭では分かっているのにも関わらず、いつも高い金を出して行った他の地方や国で、人に対しても、食べ物に対しても、すべてのことに対して慎重になってしまう。もちろん、個人ごとに旅のスタイルというものがあり、急には変えられない。だからこそ、自分のスタイルとは違う旅のスタイルを知ることができて、よかったと思う。 ただ、この筆者の金銭と人間関係における無謀さは他の面でも遺憾なく発揮される。下り坂を時速50キロで降りている途中で転倒して死にそうになったら、普通は安全運転を心がけそうなものだが、結局同じことを二度も繰り返す。 鬱陵島では雨の降る山の中で道に迷った挙句斜面を転げ落ち、救助隊を呼ぶ羽目になる。こういった無謀さは正直理解の域を越えていたが、結果的に大きな怪我はなかったのでまあ良しとするべきか。 ちなみに、この本を買った動機のひとつには、韓国での道の走り方だとか、メカニックなトラブルに対する対処方法などについてのケーススタディにしたいというのもあったのだが、そういったことについてはあえて詳しく書いていないようだった。そういうことは、本の中でも紹介されていたコミュニティサイトなどを見れば知ることができるので、あえて書かなかったのだろう。 外国語の書籍という観点で見ると、それほど難しい言葉も使っておらず、平易で分かりやすい文章だったと思う。自分は個人的に旅行記を読むときは自分の今から行こうと思っている場所が舞台となっているものを読むので、写真の多い旅行記はネタバレされるようであまり好きではない。そういう意味でも、この本は写真がほとんどなくイラストが多かったので、好感が持てた。
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